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欧米型のHBV遺伝子型Aでは急性肝炎からの慢性化も

category/ B型肝炎
2013/09/17 12:27:13

欧米型のHBV遺伝子型Aでは急性肝炎からの慢性化

 

成人でB型肝炎ウイルスに感染しても、一過性の急性肝炎を発症した後、慢性化はしない─。欧米型のウイルス感染が広がったことで、従来考えられていた常識が通用しなくなってきた。


B型肝炎ウイルスの持続感染者のうち、一過性肝炎を除くHBe抗原陽性慢性肝炎とHBe抗原陰性慢性肝炎、肝硬変の患者が治療対象となる。抗ウイルス療法の短期目標は非活動性キャリアのような状態に持ち込むこと。ただし、長期目標はHBs抗原の陰性化だ。(出典:肝臓 2013;54:40-72.)
(*クリックすると拡大表示します) 

2000年以降、遺伝子解析が活発化し、B型肝炎の臨床像は遺伝子型によって異なることが分かってきた。母子感染を中心に、従来国内で広がっていたのは遺伝子型Bと遺伝子型C(表4)。いずれも乳幼児で感染すると一生排除できないが、成人で感染すると、劇症肝炎を起こす一部を除いて一過性肝炎を経て慢性化しないことが知られている。

 

表4 国内のB型肝炎ウイルスの各遺伝子型の特徴(取材を基に編集部で作成)

 

しかし近年、成人で水平感染する性感染症として、欧米由来の遺伝子型Aの感染が急速に増えている。厚労省の研究班が全国の協力施設と共同で、1982~2010年までのB型急性肝炎1088例を調べたところ、2010年には急性肝炎の65%が遺伝子型Aに起因することが判明した。研究班代表で国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長の溝上雅史氏は「首都圏のある地域では、急性肝炎の80~90%を遺伝子型Aが占めている」と話す。

厄介なのは、遺伝子型Aでは急性肝炎の後に一部が慢性化することだ。溝上氏らの研究では、急性肝炎発症から12カ月後に7~8%が慢性化していた。12年4月からは、B型肝炎の患者に対し、遺伝子型の判定が保険(340点)で実施できるようになり、遺伝子型Aの患者に対しては、慢性化予防のために核酸アナログエンテカビル投与が行われている。ただし今のところ、核酸アナログの投与で慢性化を有意に防げたというエビデンスはなく、また、投与中止の基準も設けられていない。

 

 最近では、遺伝子型Aは肝炎の程度が比較的軽く、半年以上たってからHBs抗原が陰性化する例が多いことが分かってきた。「遺伝子型Aは、HBs抗原が消えるのに時間が掛かる。急性肝炎発症後、2カ月程度様子を見て、慢性化が強く疑われたら核酸アナログ投与を考慮してはどうか」と溝上氏は話す。

遺伝子型Aが慢性化した場合の治療はどうすればいいのか。虎の門病院(東京都港区)肝臓センター部長の鈴木文孝氏は「遺伝子型Aはもともとインターフェロン(IFN)が効きやすい。感染者には成人後の慢性化例が多く、感染期間が短いことや、IFNが効く若年例が多いこともあり、遺伝子型Aの慢性肝炎例には原則的にPEG-IFNを投与している」と話す。治療によってHBe抗原の陰性化やHBV-DNAの陰性化に加え、最終的にHBs抗原の消失が認められる例もあるという(症例2)。

症例2
IFN単独投与が奏効した遺伝子型Aの一例(鈴木氏による)

症 例:42歳、男性
主 訴:なし
家族歴:なし
既往歴:10歳時に虫垂炎で虫垂切除術。12歳時にアデノイド切除術。
嗜 好:飲酒歴なし。喫煙は10本/日。
現病歴
10年前の健康診断の採血ではHBs抗原陰性であった。5カ月前の健康診断にてHBs抗原陽性、肝機能障害を指摘され、近医を受診。検査所見は、AST168U/L、ALT367U/L、HBVDNA8.7logコピー/mL 以上、HBe抗原陽性。HBVの遺伝子型Aであった。その後も肝炎が持続したため、治療目的で虎の門病院を紹介受診した。
治 療
受診から1カ月後に当院入院。腹腔鏡で微細凹凸肝、肝生検で中等度の線維化(F2)、軽度の壊死・炎症(A1)を認めた。入院1週目からIFNα(6MIU)4週連日投与。その後20週間、週3回投与の合計24週間投与を行った。投与中にHBV-DNA量が低下し、HBe抗原が陰性化。投与終了から半年後にHBs抗原の陰性化を認めた。

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